夕方、夕飯の支度を始めたい。でも、小学1年生の子どもはまだ一人で静かに過ごせるとは限らない。
「ちょっとだけYouTube見ていてね」
毎日そうしたいわけではない。それでも、包丁を握り、火を使い、時間に追われる夕飯作りの最中は、どうしても手を止められない。
動画を見て静かに待っていてくれれば助かる。その一方で、画面にじっと見入る我が子の背中を眺めながら、「今日も動画を見せっぱなしにしてしまった」「スクリーンタイムが長すぎるのでは」と、胸のどこかに罪悪感が残る。
自営業をしながら小学1年生の男の子を育てる母親も、そんな夕方の葛藤を抱えていた。HAKOLAB(はこラボ)を活用したある日、学童帰りの16時台から17時台の過ごし方が大きく変わった。
この記事のポイント
- 夕飯作り中の「とりあえずYouTube」に頼ってしまう親の罪悪感
- 学童から帰宅後、夕飯ができるまでの過密なスケジュール問題
- 【実録】16:15〜17:30の過ごし方:実験・宿題・会話へと活動が切り替わる流れ
- 動画視聴と、先生・仲間と関わるオンライン体験の違い
- 親が料理をしながら、子どもの放課後に無理のない選択肢をつくる方法
夕飯作りの時間、「動画を見せるしかない」と諦めていた
夕方16時半ごろは、多くの家庭で夕飯の準備がピークを迎える時間帯だ。
野菜を刻み、鍋を火にかけ、冷蔵庫を開け閉めする。その合間に取り込んだ洗濯物をたたみ、翌日の学校の準備も気になる。
そこへ小学1年生が「ママ、これ見て」「一緒に遊ぼう」とやって来ても、作業の手は止められない。結果として「タブレットで動画を見ていていいよ」と渡すことになる。
YouTubeやタブレット学習自体が悪いわけではない。良質な動画から知識を得ることもあるし、親が安全に家事を進めるための防衛策として必要な時間でもある。
ただ、この母親の心には「毎日この夕方の時間が、ただ画面を眺めるだけで終わってしまうのはもったいない」という小さな引っかかりがあった。
【実録スケジュール】16:15〜17:30|夕飯ができるまで、子どもが夢中になった「3つの切り替え」
学童から帰宅し、夕飯の準備がほぼ整うまでの75分間の記録。
| 時間 | 子どもの過ごし方(小1) | 親の状況(夕飯作り・家事) | 親子の状態 |
|---|---|---|---|
| 16:15 | 帰宅・教材をセットして接続 | キッチンで夕飯作りを開始 | 最初の接続確認だけ大人がサポート |
| 16:30 | 理科実験のライブレッスン | 炒め物や下ごしらえに集中 | 先生と一緒に実験を進める |
| 17:00 | ほうかごクラブ前半:宿題やワーク | 煮込み料理や汁物の仕上げ | 子どもは自分の課題に取り組む |
| 17:30 | ほうかごクラブ後半:先生や仲間との対話へ | 配膳・テーブルの準備 | 夕飯の準備はほぼ完了 |
※上記はこのご家庭の体験時の流れです。現在の実施時間とは異なる場合があります。
16:15|帰宅。親はキッチン、子どもはリビングへ
学童から帰宅後、母親はすぐに夕飯作りをスタート。普段なら動画アプリを開く時間だが、この日はリビングのテーブルにHAKOLABの教材を用意した。接続と準備を確認し、子どもは画面の前へ。母親は安心してキッチンへ向かった。
16:30|理科実験のライブレッスンで「手を動かす」
画面の向こうにいる先生と一緒に、手元のキットを使って実験を進める。一方的に動画を視聴するのではなく、「どうなると思う?」「実際に試してみよう」と双方向のやり取りが生まれる。
母親はその間、火を使った調理に集中。そばに付きっきりにならなくても、先生がオンライン上で様子を見守り、適宜声をかけてくれる。
17:00|ほうかごクラブ前半:宿題の時間へ
実験を終えた子どもは、そのまま「ほうかごクラブ」へ。前半は宿題や読書に取り組む時間だ。
子どもは学校の宿題を進め、母親は味噌汁や主菜を仕上げていく。
17:30|ほうかごクラブ後半:先生やオンラインの仲間と対話する
後半は、参加している子ども同士や先生との対話タイム。この日は自分の好きなものについて発表し、画面越しのリアクションを楽しんでいた。
そのころには、夕飯の準備もほぼ整っていた。
「受動的な動画視聴」と「先生や仲間と関わる時間」はどう違う?

ここで大切なのは、「YouTubeを完全に禁止して、すべて学習に置き換えるべき」という極論ではない。
動画には動画の良さがある。知的好奇心を刺激する映像もあれば、疲れた放課後にリラックスして笑う時間も大切だ。
この家庭で起きた最大の変化は、夕飯作り中の選択肢が一つ増えたことだった。
「今日は疲れているから動画でのんびりしよう」という日もあれば、「今日は先生と実験をして、宿題まで進めよう」という日もある。
毎日同じパターンで動画を見せ続ける状態から離れられたこと自体が、親の心の負担を軽くした。
また、同じ画面を見る時間であっても、過ごし方は同じではない。
- 録画された動画を見る時間:一人で画面を見ながら情報を受け取る
- ライブで先生や仲間と関わる時間:手を動かして試し、「できた」「分からない」と反応を返し、それに対する返事がある
この日は、実験・宿題・対話と活動が切り替わり、一つのことだけを続ける時間とは違う過ごし方になった。
「親が付きっきりにならない」と「放置する」は違う
小学1年生にとって、すべてを一人で準備し、完全に自走するのはまだ難しい。初回の接続や教材の確認など、大人のサポートが必要な瞬間はある。
しかし、始まってからずっと隣に座り、指示を出し、宿題を一問ずつチェックし、相手をし続ける——そのすべてを親が丸抱えする必要はない。
外部の先生やオンラインコミュニティの力を借りることで、親はその時間、キッチンで夕飯作りに集中できる。
「親の手が離れること」と「子どもを一人で放っておくこと」は、同じではない。
夕飯作りの時間を、子どもの「待ち時間」にしない

これまで夕飯作りの1時間は、子どもにとって「親の手が空くのを待つ時間」になりがちだった。
しかし、その夕方の時間を、実験する、宿題をする、誰かと話す——そんな時間に変えることもできる。
親が家事をしているからといって、子どもの学びや好奇心まで止める必要はない。同時に、子どもの相手をするために、親が夕飯の準備を犠牲にし続ける必要もない。
親と子が、同じ家の中でそれぞれの時間を過ごす。
それも、夕方の一つの過ごし方だ。
HAKOLABが目指すのは「家庭の夕方を親一人で回さない仕組み」
HAKOLAB(はこラボ)は、単に「自宅でできる理科実験教材」ではありません。
少人数のライブレッスン、見守り付き学習「おべんきょう」、オンライン放課後クラブ、そして音声対話ができるAI先生を組み合わせ、家庭内の放課後をトータルで支える仕組みです。
目指しているのは、「教材を渡して子ども任せにする」ことでも、「親が付きっきりで教え続ける」ことでもありません。
先生や仕組みの力を借りながら、子どもが少しずつ自分の力で動ける時間を増やしていくこと。
夕飯作りの間、「とりあえずYouTube」に頼るしかなかった夕方の1時間に、もう一つの選択肢をつくる。
16年間、民間学童「こどもクリエ塾」で小学生の放課後と働く保護者のリアルを見つめ続けてきた現場経験から生まれた、新しい放課後のサポートのかたちです。
著者プロフィール
遠藤奈央子
株式会社ビジョンゲート代表取締役。2011年より民間学童「こどもクリエ塾」を運営し、16年間、子どもたちの放課後の学びと成長に携わる。一般社団法人民間学童保育協会代表理事。社会福祉士。
著書に『「自分でできる子」に育つ 放課後時間の過ごし方』(講談社)、『「民間学童」の作り方』(日本実業出版社)。
こどもクリエ塾では生活の中の「数える・比べる・試す」を放課後の学びに、HAKOLAB(はこラボ)では自宅で子どもが少しずつ自分で動ける探究学習体験を提供している。
